喫茶トワエモワ覚え書き

東京都

今年3月の半ばに池袋西口の立教通りにある珈琲豆販売店「ドリームコーヒー」が閉業します。セルフ形式のコーヒースタンドを併設し、昨今の物価高のなかブレンドコーヒー230円で提供していました。大通り沿いに面したお店ではありませんでしたが、立教大の近くということもあって、いつ訪れても賑わっているお店でした。Xのフォロワー様より閉業の情報を頂いたので、2週間ほど前に駆け込み利用しました。ルーチンで訪れているであろう方々に混じり、自分のような駆け込み利用の方々もいましたが、閉業前の独特の緊張感はなく、店内はほどよくザワつき思い思いに過ごしている人の姿が見られました。

さて、枕はこのくらいにして。池袋のドリームコーヒーの珈琲豆を仕入れていた喫茶店のことを書きたいと思います。墨田区の東向島駅近くにあったトワエモワという名前のお店です。現在は閉業しています。

このお店を知ったきっかけは、墨田区のホームページでした。おむつかえや授乳ができたり、給湯設備のある墨田区内の施設の一覧を赤ちゃん休けいスポットとして紹介しています。認定施設としてトワエモワが掲載されていました。当時子どもが小さかった私にとって、日頃訪れないような街に行く際は赤ちゃん休けいスポットのような情報は重要でした。

お店は東向島駅から水戸街道を越え、曳舟川通りも越えた場所にある八広新中通り商店街にありました。駅からは少し離れているので、地元の方でなければきっと通らなかったであろう場所にありました。墨田区のホームページを見てきましたと告げると、区の担当者に頼まれて登録したと仰っていました。赤ちゃん連れで利用しやすいようにベビーベッドを設置した、などではないけれど、対応できる範囲で協力するといった感じのようでした。ちょうど2階から降りてきたお客さんがいたので、2階にも客席があるなんてすごいと漏らしたところ、1階が狭いから当然よ~とママさん。こちらは元靴店だったのを改装したそうです。トワエモワの本店は小村井駅近くにあり、こちらのお店よりも広くて雰囲気も良かったのよね、今も営業していたら見せたかったと。10年以上前にお酒を出す店に変えてしまったそうです。

店内を撮らせていただいた際、キャニスター缶に書かれたKeiyo Coffeeの文字が気になったので尋ねてみると、以前こちらの珈琲豆を仕入れていたが会社が廃業したので、現在は池袋のドリームコーヒーから仕入れていると仰っていました。墨田区と豊島区は同じ都内とはいえ、少し距離があるのでなぜその仕入れ先なのか疑問に思ったのですが、聞きそびれてしまいました。

店の2階。グループ客用のテーブルがあり、内線があった。トワエモワの意味(フランス語であなたとわたし)も書かれていた。

1993年の住宅地図を見ると、確かに小村井駅近くにトワエモワという屋号の喫茶店がありました。2000年初め頃には閉業してしまったようです。区内で2店舗経営するほど喫茶店が繁盛した時代があったのだと思いました。現在の小村井駅の大通り沿いにはカフェや喫茶店はありません。東向島のお店の周辺も営業している商店はまばらでしたが、93年の住宅地図を見ると、商店街には鶴の湯という銭湯や呉服店、洋品店、鮮魚店、青果店があったことがわかります。

*『サンデー毎日』1978年4月1日号掲載の記事によると、当時ドリームコーヒーではスタンド形式でブレンド120円で提供。毎週月曜にはブルーマウンテンを120円で提供していため、立教生が押し寄せていたそうです。

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