1年ぶりの山谷酒場

山谷酒場外観 東京都

山谷酒場で外食するのは1年ぶりだった。その間、テイクアウトを何度か利用させてもらった。家で包みを開けると、部屋中にスパイスの香りが充満する。お店で食事するよりも味がよく分かる気がする。だけど、たまには山谷酒を飲みながら、スパイスの香り漂う店内で熱々の料理をいただきたいなあと思っていた。

店に一歩足を踏み入れると、スパイスの甘い匂いがふわっと香る。パイナップルやバナナなどの鮮やかなクロスをビニールコーティングしたテーブル、赤色の壁には真っ白な紙に筆書きのお品書きがびっしり並ぶ。今日は何を食べようかな、と顔を上げてお品書きを見ながら品定めする。この時間がいちばん楽しい。

上:ハッピーポテトセット、下:ケイジャンチキンのピザ

お品書きや今日のメニューを一通り見ても、子どもと一緒なので同じものばかり頼んでしまうのだけれど。毎度注文するのはハッピーポテトセット。菓子の型抜きが付いていて、それがうまく抜けたら山谷酒が一杯無料なのだが、まだ成功したことがない。「今日こそは一杯飲ませてあげるね」と子どもが言う。くじびきみたいな運試しが本当に好きだ。今日も失敗。「もう一杯飲みたければ注文できるんだから」とフォローした。ボトルキープの瓶に貼られたラベル『山谷酒』の「山谷」について、子どもが訊ねてきた。「山谷というのは、この辺りの昔の町名だよ。学校の社会科でも山谷について習うかもしれないけど」と話を続けようとすると、訊ねた本人は話をろくに聞いておらず、今度は漬け込み中の果実酒のことを知りたがった。

久しぶりにバイスを頼んだら、子どもが飲みたいというので、コーラを飲んだ後のグラスに注いだ。「ゆかりふりかけの味だ、すっぱーい!!」と言いながらも、ちびちび飲んでいた。

あともう一品くらい頼んでみたかったけれど、お腹がいっぱいだった(この日は他に炒飯を頼み、炭水化物祭り)ので、名残りを惜しみつつ、今日も店を後に。珍しく外観の写真を撮った。画像を見返すと、夜間、商店街で営業する店は数少なく通りは真っ暗なのがよくわかる。置き看板の撮影は失敗したけれど、赤・青・黄緑・黄の4文字は、いろは会商店街のロゴの配色に揃えて作られていることにもようやく気付いた。

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